ある夫婦に起きたこと
夫は、どうしても嫉妬したくて、妻に「浮気してきてほしい」と懇願しました。その後に起きたことを、時系列で整理します。
- 妻が内緒で動いた:妻は出張先の東京で、夫に内緒で、乱行パーティの見学を申し込みました。
- 見学が参加になった:見学のつもりが、現場の雰囲気に呑まれて参加することに。参加者はみんな感じがよく、楽しかったので次回の予約も入れました。
- 二回目で連絡先がつながった:二回目の参加で、同じ県の人と仲良くなりました。パーティでは電話番号の交換が禁止されていますが、常連の男性がオーナーの許可を取って交換。その後、個人的にホテルへ誘われ、妻は楽しみました。
- 夫が怒った:これを聞いた夫は、少し怒ってしまい、夫婦の空気が悪くなりました。
- 仲直りと、いま:仲直りはしましたが、いまでも夫はこの出来事に嫉妬し、その内容を妻に話してもらいながらセックスをすることがあります。
注目したいのは、夫が怒ったのが「パーティに参加した」時点ではなかったことです。夫自身、妻が自分から応募したと知ったときは「すごく嫉妬して興奮した」と話しています。怒りが生まれたのは、その先でした。
夫は何に怒ったのか——4つの見方
本人にも最初は理由がわからなかった、とのことです。考えられる見方を、4つ挙げます。
1. 「頼んだ枠」の外に出た
最初のパーティは、場所もルールも決まっていて、その場で完結する出来事でした。夫にとっては、安全に嫉妬できる「舞台」に近かったのだと思います。ところが連絡先の交換と、個人的なホテルは、その舞台の外にあります。「イベントでの出来事」が「妻と特定の男性との関係」に変わった。夫が頼んだのは前者で、起きたのは後者でした。
2. 主導権が自分から離れた
「浮気してきて」と頼んだ時点では、夫が台本を書いている感覚があったかもしれません。ところが妻が自分で相手と関係を作り、自分でルールの例外(連絡先の交換)を受け入れました。展開が夫の想定を超えたとき、コントロールを失った感覚が生まれることがあります。
3. 怒りの下に、不安があったのかもしれない
怒りは、不安・恐れ・傷つきといった感情を覆う「二次的な感情」だと説明されることがあります。「このまま取られるかもしれない」「妻が自分より楽しんでいる」といった感情が、怒りとして外に出た可能性です。望んでいた嫉妬が、遊びの範囲を超えて本物の痛みに近づいたとき、人は怒りで身を守ることがあります。
4. 「内緒」で動かれたこと
妻は夫に内緒で見学を申し込んでいました。このこと自体は、夫に強い興奮をもたらしました。ただ、内緒にされる範囲がどこまで広がるのか、という不安は別の問題です。連絡先が続く関係になると、夫に見えないやり取りや約束が増えます。内容そのものよりも「共有されていない部分がある」ことが、傷つきの原因になることもあります。
一度きりの出来事と、続く関係は別もの
この夫婦の話で一番大事な点は、嫉妬の「質」が変わったところだと私たちは考えます。
- パーティの中で起きること:場所も時間も決まっていて、終われば妻は日常に戻る。相手とのつながりは、その場で終わる
- 連絡先を交換した関係:相手が日常の中に残る。連絡や約束は、夫から見えないところで続く可能性がある。同じ県なら、生活圏が重なる可能性もある
夫が味わいたかったのは「妻が他の人と楽しんだ話」で、嫌だったのは「妻に別の男性との関係が続くこと」だったのかもしれません。嫉妬したい気持ちと、嫉妬に呑まれる怖さは、別のものです。
いまは、その話が刺激になっている理由
夫は仲直りのあと、その出来事を妻に話してもらいながらセックスをすることがある、と話しています。かつて腹が立った出来事が、いまは嫉妬の材料になっている。怒りと興奮が近いところにあることを、よく表していると思います。
こうなる理由のひとつは、出来事が「いま起きている不安」から「話し合って扱える過去の話」に変わったからだと考えられます。ただし、誰にでもこうなるわけではありません。怒りが長く残ったり、夫婦のどちらかが辛さを我慢していたりするなら、無理に刺激へ変えようとしないでください。
夫婦で先に決めておきたい7つのこと
怒りが起きる前に、線引きを共有しておくと、次に似た状況になったときに傷つきにくくなります。
- 連絡先の交換:しないのか、する前に必ず相談するのか
- 相手の条件:同じ県の人など、日常で出会う可能性のある相手をどう扱うか
- 伝えるタイミング:会う前に伝えるのか、会ったあとに報告するのか
- 内緒の範囲:内緒でもよいこと、共有してほしいこと
- 関係が続きそうなとき:やり取りを見せるのか、会う前に許可を取るのか
- 安全面:避妊や検査など。医療機関や公的機関の情報を確認したうえで話し合う
- やめる権利:どちらかが「やめたい」と言えること、言われたら必ず止めること
怒ってしまった自分を責めなくていい
頼んだのは自分なのに怒ってしまった、と、夫は自分を不思議に思っていました。でも、怒りは「自分の線引きがどこにあるか」を教えてくれるサインでもあります。怒りのあとに話し合い、仲直りをして、いまも夫婦で話題にできている。この流れ自体が、二人の信頼の形だと思います。
夫のNTR性癖の背景はなぜ夫は私が他の男性と寝ることに興奮するのかで、複数の人が関わる関係を始める前の話し合いは夫と彼氏と3P——オープンリレーションシップで起きたこと、感じたこと、準備したことで整理しています。夫本人の視点で書いた日記は、クンダリーニ脳イキ研究所の夫の体験日記にあります。
この記事のまとめ
- 夫が怒ったのは、パーティそのものではなく、連絡先の交換で関係が続くことだったのかもしれない
- 「頼んだ枠」の外に出ること、主導権が離れること、内緒の範囲が広がることが、嫉妬を怒りに変えることがある
- 怒りの下には、不安や傷つきがある場合がある
- 連絡先・相手の条件・報告のタイミング・安全面・やめる権利は、先に夫婦で決めておく
- 怒ってしまったことは、自分の線引きを知る手がかりになる